白峰三山縦走記4 農鳥小屋とオヤジと俺(食事と消灯編)
ぼくは今、農鳥小屋にいます(謎)
ドラム缶の前でオヤジと一緒に間ノ岳、西農鳥岳から下りてくる登山者を監視しています。
時刻は12時過ぎ。
この辺から登山者の数が増えてくる。
農鳥小屋ではカレーやうどん等の軽食販売はやっていないのですが
カップラーメンは売ってて種類がやけに豊富で売れ行きが良かった(お湯付きオール500円)
販売スタイルがワイルドで素敵。
オヤジのお気に入りは欧風チーズカレーだそうです(マル得情報)
休憩してる登山者に「今日はどこまで行くの?」とちょいちょい問いかけるオヤジ。
「どれくらい時間かかるか分かってるか?」とか
下りでの事故の多さなんかを説いたうえで
「俺が色々言ってるのは早く出発しろって意味だぞ?w」みたいな感じで終始和やか。
他所のブログで情報収集してた時は
「まだいたのか!早く行かねえと日が暮れるぞ!」とか言われてる人がいたんだが
今日はとても怒ったりしそうな雰囲気に思えない( ゚ω゚ )なんか残念←
今日は天気がいいから事故の可能性が低いし
アルバイトの人も来てるから心に余裕があるのかな( ゚ω゚ )w
ももゼリー食べながら登山者と語らうオヤジ(かわいい)
と、ここでオヤジの足元にゴミが落ちてた:(;゙゚'ω゚'):アカン…
「こんなとこに落としていったやつがいるな…」と拾い上げるオヤジ:(;゙゚'ω゚')::(;゙゚'ω゚')::(;゙゚'ω゚'):
しかしそれは未開封のクッキーの袋だったようで「やったぜwww」と
満面の笑みでポケットに仕舞うオヤジ:(;゙゚'ω゚'):!!!!
ももゼリーといいオヤジは甘いものが好きなんだろうか( ゚ω゚ )親近感が湧きますねw
ここまで登山者と語らうオヤジを眺めていて気付いたポイントをひとつ。
オヤジの評判の悪さの要因として「愛想が悪い」「無視された」ってのをよく見かける。
しかしながらこれはオヤジがかなり耳悪いって事が大きいものと思われる。
目の前に座ってる俺と話してる時ですら
俺「このガス、夕方には晴れますかねぇ…」
オヤジ「あぁ?なんだって?」
俺「かなりガスってますけど!夕陽見れますかねえええ!(大声)」
オヤジ「あぁあああ?今夜がどうしたって?」
俺「ガスううううう!晴れますかねえええええええ:(;゙゚'ω゚'):あああああああ」
みたいなやり取りがちょくちょくあった。
そして小屋の周辺で休憩してた人が出発する際に
「それじゃあ、行ってきます」とか「ありがとうございました」
と、ちょっと離れたとこから言ってもオヤジは聞こえて無くてスルー。
登山者が無視されたと思って苦笑いしながら去っていくのも何度も見た\(^o^)/
俺が代わりに会釈しといた←
でもオヤジは本当はかなり愛想が良い方で
ちゃんと聞こえていたら絶対に「はーい、気をつけて行ってくださいね。グッドラック!」
って言ってくれます。さらに中国語や韓国語っぽい挨拶も付けてくれたりしますw
手伝いに来てたお兄さんの話だと
オヤジは猟に行くとき耳栓せずに銃を撃つからそのせいでめちゃくちゃ耳が悪くなったらしい\(^o^)/w
しばらくオヤジと話してるとそういうことも分かるんだが
「農鳥小屋のオヤジは変なオッサンだ」程度の情報しかないと
無視されたと思って「やっぱりかw」みたいな事になるんだろう。もったいない(?)
オヤジがウケケケに戻ったと思ったら突然犬の散歩が始まった(・∀・)w
標高2800mの散歩(ゴージャス)
気温が下がってきたのでコタツに入る。
小屋泊の人も増えてきたな。
予約の電話入れてた人が「留守電だったんでメッセージ入れといたんですけど…」
って言っても「そんなもん来てねえよ」とか言われててそれは結構ひどいと思った(・∀・)w
予約の際は要注意だ\(^o^)/
あとはオールド山ガール(謎)が受付の際に年齢を聞かれて「ヘヘヘw」って誤魔化してたら
「ヘヘヘじゃねえんだよ!無駄飯食って生きてきた覚えがなけりゃ歳くらいすぐ言えるだろ!」
って独特の言い回しで怒られてた( ゚ω゚ )w
そしてついに時刻は15時に…( ゚ω゚ )ゴクリ
獲物が来るのを待ちます( ^ω^ )←
ん?(・∀・)
ほんの数分で一面真っ白になった\(^o^)/
なるほど、間ノ岳からの下りで執拗なまでに矢印が描かれていたのは
こういう事態を想定してのものであったか。さすがはオヤジだぜ。
そして、この時間でも登山者は次々来るもので果たしてどのような対応になるのかと
ワクワクしていたんだがまさかの激怒なし( ゚ω゚ )!?
お昼前に比べると無愛想な感じが出ている気もしたが普通に受付してた。
「こんな時間に到着するとは何考えてんだ!お前みたいなのがヘリで運ばれてんだぞ!」
ってのを期待していた俺には拍子抜けである(クズ)
予約の電話をしていたらしい団体が来た時も
「もう寝るとこねえよ!」って言った程度で実は昼前に「予約の人はここな!」って
布団用意してたしな( ゚ω゚ )ツンデレ
15時以降に来るチャレンジャーが意外と多くてオヤジも忙しそうだったので外でガスの流れを眺めてたら
「農鳥岳に向かった奴はいなかったか?」と聞かれた。
そういえば黒いザック背負った人がこの辺歩いてたけど
テント場に行ったんだと思ってた…。
「あぁ…行っちゃったのか…あの人の受付終わったら説明しようと思ってたんだが」とオヤジ。
話を聞くと「金がないけど泊めてくれないか?」って人が来たらしい\(^o^)/なにそれw
多分その時にオヤジに一発かまされてすぐに農鳥岳方面へ出発しちゃったみたい。
まだ小屋の付近にいればいいけどなぁ…って思いながら西農鳥岳方面を見てたら
いきなりガスが晴れて山の中腹辺りに登山者の姿が:(;゙゚'ω゚'):ドラマチック←
そしたらアルバイトのお姉さんが走っていった( ゚ω゚ )あの距離では…
って思ってたら凄い勢いで距離を詰めていき追いついた( ゚ω゚ )つよい(確信)
で、会話してたけど登山者はそのまま登っていく:(;゙゚'ω゚'):なんでやねん
戻ってきたお姉さんに聞くと「奈良田まで下りますから大丈夫です」と言って聞かなかったそうだ。
もうすでに16時前でここから奈良田までって24時とかになるんじゃね( ゚ω゚ )大丈夫じゃねえ
途中に大門沢小屋があるけどそれでも数時間はかかるみたいだからなぁ。
まぁその後、遭難情報とかなかったみたいなので良かったですけど。
「それにしてもお姉さん早いですね(・∀・)」って言うと
「いえいえ、でもこの靴だと岩場滑るからしんどかった~w」
足元を見るとそれは見紛うことなきワニさんマークの「クロックス」:(;゙゚'ω゚'):それ靴じゃねえからw
やはり農鳥小屋でアルバイトするには人並み外れた能力を有してないとダメなようです。
そんな事件もありつつ一気に気温が下がってきたので部屋に戻って布団に包まる。
この布団に関しては
「オヤジの指示があるかオヤジが敷いてくれるまで勝手に自分で敷いてはいけません」
って情報があったけどさっさと自分で布団敷いて寝てる人がいても何も言われてなかった。
これもまた当日の気分次第で変わるのかもしれないけどね(・∀・)w
小屋内で自炊するのはオッケーで
「布団の上でバーナーを使っていても何故か怒られない」との情報はその通りのようでしたw
ダンボールでも敷いて適当にやってくださいね。って感じだった。
しばらくゴロゴロしてるとオヤジが「ブロッケン見えるぞー」って言ってたので外に出てみる。
ほほう(・∀・)ブロッケン現象初めてだ
ガスの中に映った自分の影の周りに虹のような光輪が見える現象のことらしいです。
昔の人は「後光の差した仏様じゃー!ありがてぇ!:(;゙゚'ω゚'):」ってなってたみたい。
ガスったり晴れたり目まぐるしく変化していきます(・∀・)夕陽期待できるかも!
でも富士山方面だけはずっと真っ白(悲)
食事の支度してたオヤジも登場。
何気にずっと被ってたムスリム的?な帽子を解除し
ヘルメットを装着して安全第一仕様になってる( ゚ω゚ )15時以降はあのスタイルなんかな?w
またモヤモヤしてきた( ゚ω゚ )
今度のブロッケンはかなりハッキリ(・∀・)ありがたや
神々しいウケケケ(謎)
犬( ^ω^ )奥のヤツはずっとあのスタイルだなw
そして…17時前にお楽しみの夕食タイムが始まる。
どどーん!
これが農鳥小屋名物「謎の煮込み」です(゚∀゚)w
見たところ高野豆腐、ひじき、たけのこ、蕗、謎のキノコなんかが入ってるみたいです。
おかずはこれのみで後は梅干しと漬物があるだけです。
ご飯とお味噌汁はおかわり自由。
部屋が狭いので近くに座った人が自動的に飯よそう係になりますw
あとここにある机を少しでも勝手に動かすと結構な勢いで怒られます。
「残さず食えよ!」とかも言われるんですがそれを聞きながらも
茶碗にご飯をたっぷり盛ると「食べられるか分からねえのにそんなに盛るんじゃねえよ!」
って言われます( ^ω^ )これは多分女性限定w
さて、いただきましょう(・∀・)もぐもぐ
意外といけるじゃねえか(・∀・)w
妙にご飯の進む味付けだ。
味噌汁も美味い!
煮物はどうか分からんが味噌汁に関しては他の人もオヤジに
「お味噌汁美味しいですね!」って言ってた。
食事があんまり…みたいな評価のブログが多かったので心配していたんだが
俺は充分に満足しました(・∀・)個人差があると思うw
そういえば何故か食べログに農鳥小屋の食事が投稿されてて
「旅館・オーベルジュ」のカテゴリになってるのが面白かった(・∀・)オーベルジュnoutori
食事中オヤジは台所っぽいスペースに陣取って色んな話をしてくれます。
主に明日の天気や下山の際の注意点等。
あと「妙な煮物が置いてあるとか思ってんだろw」って事も言ってた(゚∀゚)はい!←
普通、山小屋での食事というと同じテーブルになった人が
「今日はどこから来たんですか?」みたいな話をするもんですが
本日はみんな黙々と食べてます。オヤジは喋り続けてます。
農鳥ディナーショーです(謎)
食事しながらしゃべってると「メシが冷めるだろ!よく噛んで早く食え!(二律背反)」と言われたり
味噌汁の飲み方にケチをつけられたりするという情報をみんな知っていたのだろうか( ゚ω゚ )w
食事を終えたら夕陽を見るために外へ(゚∀゚)おっ!これは!
ついに富士山も現れた( ^ω^ )素晴らしいタイミングだ!
しかし…
!?
すぐにガスに覆われて夕陽タイムは微妙な結果に終わった\(^o^)/
風も強くなってきてやたらと寒いです…:(;゙゚'ω゚'):
宿泊棟へ戻る…( ゚ω゚ )
真正面の小屋が宿泊棟です。何やら妙に暗いんですが…・。
電気って点かないんですね…みんな各々ヘッドライト使って対応してます。
早くも諦めて(?)寝ようとしてる人もいます( ゚ω゚ )みんな静かです
しばらくするとオヤジがやってきた。
「おっ!寝てる人がいるから電気つけてねえんだな!感心感心!」
と言って満足気に去っていった。
「上にあるライト点けても良かったんですね…」
「つけましょうか?」
とみんながザワザワし始めたので俺が率先して「点けましょう(゚∀゚)」って点灯w
17時49分点灯
まだまだ薄暗いけど電気もつかないまま夜になったらどうしようかと思ってたよ(・∀・)w
しかし「ヤツ」はすぐにやってきた…
「おう!半分以上寝てるんだから電気消すぞ!!!」( ゚ω゚ )!?
17時57分消灯( ゚ω゚ )( ゚ω゚ )( ゚ω゚ )マジカヨ…
こんな時間に寝れねえよ…って外に出てみましたがめちゃくちゃ寒いです:(;゙゚'ω゚'):
10分程度でギブアップして結局小屋に戻る…。
一応寝転んでみたけど元々山小屋では圧倒的に寝付きの悪い俺ですから
こんな時間に眠れるわけがありません。
しばらくして時計を見るとまだ18時40分。
下界だとサザエさんやってる時間じゃねえか:(;゙゚'ω゚'):アナゴく~ん!(狂)
もちろんみんながみんな寝ているわけではなく
コタツに足を突っ込んでただただ俯いてる人もいました。
俺もしばらくコタツに入っていたので「まだ眠れませんよねw」
みたいな事でも言おうかと思ったんですが
暗闇というのは人間の意欲なんかを削いでいくんでしょうかね
「ガチ寝してる人もいるからしゃべっちゃダメかな…」と思ってしまって
結局黙ったまま(あと9時間どうしよう)って俯いてました。
「トイレはともかくオヤジも食事も問題ないし良い小屋じゃないか( ^ω^ )
って思ってたけどまさかこんな罠があったとは…これは地味に辛いなぁ」
とかなんとか思いながら長い夜を過ごす。
そして時は23時過ぎ…結局眠れた感のないままだった俺は尿意を催しトイレへ向かった。
トイレは外の天空トイレしかないので面倒くさいです( ゚ω゚ )
風が強くてトイレはギシギシ言ってるし
もし足を踏み外したらトタンに流されて山の養分になるから怖い…滑落注意。
かなりおっかないトイレ体験でした:(;゙゚'ω゚'):
白峰三山縦走の核心部は農鳥小屋のトイレなのかもしれません( ゚ω゚ )←
農鳥小屋:(;゙゚'ω゚'):w
また布団に潜り込み4時になるのを待ちながらつづく
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